ミラノ
ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ、パリと5都市を巡りましたが、おすすめ度ダントツの最下位はミラノです(笑) 理由としてあげられるのは、ミラノはまず雪が降っていて寒すぎた点、ホテルに行くのにリアルで迷った点、ブランドに興味がないしお金もなかった点などです。もう行きたくないです…。
っても、ミラノでブランドに興味ない人が行くのは限られてるんだよね。まずはヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレッリア。世界史必須人名エマヌエーレ2世。お店がたくさんあるけどどれも高いんだぜぇ!
それとミラノ大聖堂!!完成するのに500年以上もかかっちゃったドジっこ大聖堂だぜ!にょきにょき生えてる、まさにゴシック!!
金属探知器などをくぐらないといけません。しかしイタリア人、警備員も(軍事警察?)楽しそうだな、おい!生きるの楽しそうだなチクショー
柱がにょきにょきしてますね。ゴシック建築の特徴の一つで森の中にいるみたいな錯覚をうけますね。シトー会が中心におこなった大開墾運動によって西ヨーロッパはほぼ現在の形になるのですが、当時の農民は消えていく森にノスタルジーを感じ、その結果として教会内に「石の森」を復元しちゃった…みたいな感じです。
あとステンドグラスの窓もゴシック的。ガラスは耐久性がないので、外側からにょきにょき補強します。というわけで一度外に出て、上に登ってみましょう!
寒い…ふぶいてるよね。もうダメだ、カメラのレンズに雪つくし、もう帰りたい…。
それにしても尖塔すごいな。1本1本、上に聖人がいるんですよ。手作りすごすぎる。
ゴシックといえばこの化け物の数々。キリスト教って異教的なものをことごとく排除するように思っちゃうけど、実は異教的要素をこっそりと教義の中に入り込ませることで世界宗教たり得てるんですよね。
とりあえず、寒いからホテル帰ろうか……
おまけ!
ミラノはホテルもひどかった。まずもらった地図がよくわからない。文字がつぶれてるし、全体的に小さいし。しかもミラノの街はどこでも同じような風景で一度ホテルからでるとまた迷うというラビリンスっぷり。ホテル自体の内装も旅行中一番ボロだった。男二人だっつーのになんでダブルベッド用意してるんだよ…
なんだこの壁紙の色は!
イタリアではトイレットペーパーはだいたいこの位置にセットされていました。
これ、わざわざ体を半回転させないととれないじゃないですか。水回りにかけては日本が世界一だと思いました。
写真中央の一番上からお湯がでてきます(動かせません)
60cm四方の狭いスペースでシャワーを浴びるんですが、やっかいなのは「カーテンがない」ということ。
ですからシャワーを普通に浴びるとトイレまでびしょ濡れになるという……。
ヴェネツィア
ヴェネツィアはとにかく寒かったです。まずこれが第一。海の近くだからか風が強くて、3月上旬とはとても思えなかったです。ローマなんか歩いてると暑かったんですが……。
思い出すだけでも寒い(笑)でも、やっぱりキレイですよね。
次は陸の上からとった写真。
サン・マルコ大聖堂はまさかの工事中。
塔が見えてきたら登るのが基本! エレベーターで一気に登ります(階段はなかった)
遠くのほうに煙突が見えますね。このあたりは工業が主力らしいです。
ちなみに僕たちが泊まったホテルも煙突のあるほうでした。貧乏旅行なのでヴェネツィア本島には泊まれないのか!?
く、くやしい……(メストレ地区に泊まりました)
たまねぎだ!!
ムラーノ島にも行ってきたよ!
ムラーノ島はヴェネツィアングラスで有名です。
ムラーノ島までは水上バスで45分くらい。あまり人がいないのでのんびりできます。
屋根が瓦みたいになっている!
ムラーノ島にある小学校。ムラーノ小学校に違いない。
おわり
なんか同じような写真ばっかりになってしまって申し訳ない。次はミラノでーす。
フィレンツェ
ローマに3日ほど滞在した後は電車で北に向かい、花の都フィレンツェに行きました。ローマの古代建築もいいのですが、フィレンツェの中世〜ルネサンス期のもろもろのほうが好きなのでワクワク!!(二日間滞在)
ヴェッキオ宮の写真はあまりに空が青すぎて合成っぽくなってしまいました。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ聖堂。なんか改修工事しててこの微妙な角度じゃないといい絵にならなかったんです……。高いところには登らざるをえない!!さっそく登りましょう。
キレイですよね。これ、写真じゃ全然伝わらないけれど、涙がにじみます。フィレンツェはイタリアで最も素敵な街だと思います。
でもね、上記のフィオーレ聖堂もいいんですけど、マイナー性を標榜する陰険なボクとしてはそのすぐ隣にある「ジョットの鐘楼」のほうが好きです。(写真のすぐ右がサンタ・マリア・デル・フィオーレ聖堂)
エレベーターが欲しい。ヨーロッパって古い町並みや建造物があるのはいいんだけど、ジャポンの至れり尽くせりに慣れてしまった我々には厳しいものが…。また階段登るのかよっていうね。でも、階段の途中の明かり窓から見えてきましたよ、隣のクーポラ(ドーム)が!!
この日は曇りだったのでいい写真とれなかったんだけども、このようにフィレンツェの代名詞を写真におさめることができるのです!(向こうのドームの上に人がいるのわかりますかね?)しかも人も少ないしね!ジョットの鐘楼最高!
もちろんヴェッキオ橋にも行ってきました。橋の上にたくさん家がある〜!
世界史やった人なら一度は聞いたことあるサヴォナローラが火刑に処されたところにある印。
実はサン・マルコ美術館やウッフィッツィ美術館、アカデミア美術館にも行ったんですけど、全部館内写真撮影禁止だったのですよ……。なにがなんだかわからない人は世界史の資料集のルネサンスあたりを見ていただければいいです。そこに載っている作品のほとんどを見たということです。それでもわからない人はサイゼリヤに行ってください。壁に描いてある絵です、カンタンにいうとw それらを見てきました。
でも一つだけ館内写真OKなところがあったんです。それが「インノチェンティ捨て子養育院」
こんなところガイドブックに小さく書いてあるだけで普通は行きませんが、(一応)西洋史専攻なので行かざるをえない。
この柵の下のほうには、下に回転する丸いの(中華料理のテーブルのような)がついていて、どうしても子供を育てられない親が建物の向こう側に自分の子供を置きます。そして修道院の人がくるっと半回転すると、親と対面することなく身寄りのない子供を引き取ることができるという…。14世紀のペストに代表されるようにヨーロッパは何回も危機に直面します。子供を無事に産むことができても、財政難や、あるいは社会的な圧力によって子供を育てられないケースというのは普通にあることでしたし、それはつい最近まであったことです。こうした状況に直面した教会、修道院は慈善施設を中世後期あたりから作っていきます。それがだんだんと専門分化して、あるものは捨て子に、またあるものは老人むけに特化していきました。このインノチェンティ捨て子養育院もそうした特化した慈善施設です。
子供を捨てる親としては、非常に辛いわけです。そこで子供に「形見」を持たせるケースがよくあったそうです。写真は18世紀の「形見」です。ここにあるものは比較的まともですが、本当に貧しい場合は自分の髪などを握らせるケースもあったそうです。18世紀でもヨーロッパ各地でこのような機関があり、たとえばイギリスでは民間のチャリティーとして養育院が建てられたそうです。
写真の中央に注目してください。これは半分に割られた貨幣です。「もし、いずれ引き取ることができるようになったら、我が子の目印に……」という親の願いを感じることができますね。*1
*1:たしか、こういったことを専門にしている日本人研究者がいたと思います
ヴァチカン特集
ローマ最終日はヴァチカン市国に行きました。子供のころからヴァチカン市国好きだったし、ルネサンス以降のキリスト教文化大好きなボク(一応、西洋史専攻w)のテンションは朝から高かった!
この服!!警備員!!スイス傭兵!!
道を間違って、変なところ行こうとしたら、この服きてる人に「NO」って言われて怖かったです。
もうこの服みるだけで満腹ですよ。うひょー。
でも、できればコッチ向いてほしいですね…。
それで、とりあえずサン・ピエトロ寺院の中に入らずにドームを上ることにしました。お金を節約するためエレベーターを使わないで歩きだけでひたすら上ります。貧乏は辛いよぉ。
途中、開けたところがあって、そこから見たサン・ピエトロの裏側。けっこうボロいし以外に複雑な構造になっていました。
で、まぁ最上部につきました。けっこうしんどかったです。でもこの光景見るとそういうことも忘れてしまいますよね。下にいる時には少し小雨が降っていたのですが、登り終わったらちょうど降り止んでよかったです。
向こうにティヴェレ川が見えます。手前の直線道路をまっすぐいって川の手前がサンタンジェロ城です。
上の写真の反対側です。この緑地も多分ヴァチカンの敷地だと思います。
さて、ここにいつまでもいるわけにはいきませんから、ついに教会内部に!
このドーム……。ぐわぁーーってね、なりますよね(テンションがあがると説明が荒れることがあります。ご了承ください)
真ん中に来ましたよ!もう上に伸びてる!のびてるっすね!!うぉぉぉぉ
教皇一覧表。これ大理石みたいなのに手彫りしていくタイプです。スペースがあいていますが、これから先、何人もの教皇がここに名前を彫られていくんだなぁと思うとワクワクします。
次はヴァチカン美術館にレッツゴー!ヴァチカン美術内もすごいのですが、そもそも展示室自体がすごい。なにこれ、これ全部手作業とか……。神聖ローマからぼったくったお金が費やされている感じがしますね(多分)
システィナ礼拝堂はなぜだか館内撮影禁止だったので、上の画像はwikipediaから借用。
ここでは涙でてきました。この絵はちょうど天井の真ん中に描いてあるのですが、よくよく見ると神とアダムの指先が少しだけ離れているのです。本当に少しだけなのですが、そこに神と人間の絶対的な隔たりを感じて泣きました。
アテネの学堂。ラファエロすごいですね。(さっきから「すごい」しか言ってませんが、本当にすごいんだからしょうがない、と開き直ってみる)
ラファエロかわいい…。この髪型だと男でも女でもときめくわwラファエロの墓はローマ一日目で訪れたパンテオンの中にあります。
…はい、そんなわけでヴァチカン終了。ヴァチカンを全部見るとなると有名どころだけでも1日は絶対かかります。かなり歩きました。次回は日程的にはフィレンチェですが、都合上パリになるかと思います。
ローマ2日目
この日は腹痛がひどくて、ポンペイまでバスで行く予定だったけれどボクはキャンセル。相棒には行ってきてもらいボクはローマ市内を少し探索することにしました。
ホテル近くは大学街と住宅地といった感じでかなり静かでした。イタリアの車の駐車テクニックはすごいです。でも、これ、どうやって出るんだろ?(前も後ろもずっと縦列が続いてました)
ボルゲーゼ美術館に行ってきました。ここまで行くのにかなり道に迷いました。地下鉄の駅が近くにないし、バスは怖くて乗れないし、ガイドブックを忘れたので。(館内撮影禁止)
ローマはA線とB線の二つの地下鉄しかありません。ローマは有名な観光名所が中心にぎゅっと集まっているので歩き回ってもあまり疲れはしなかったように感じます。地下鉄は東京と比べると……まぁイタリアらしさがでてますよね。イタリアはローマに限らず落書きが多かったです。
カラカラ浴場にも足を伸ばしてきました。貴重なモザイクの上にのんきに猫が!
ここはほとんど人がいませんでした。(日本人はたくさんいた)
館内撮影禁止なので写真ないのですが、一番インパクトでかかったのはカプチン修道会。
ちょっとインパクトでかいので注意
そんなに骨を使うのか、というか…。6つの窟に分かれていて全部骨だらけなんですが最後の窟にプレートが置いてあって「what you are now we used to be;what we are now you will be.」と6カ国語くらいで書かれていました。目の前が骨の山なんで説得力ありました。
次回はヴァチカンです。
イメージと戯れること
最近、ホリエモンが「食料生産以外は仕事じゃない」みたいなことを言っていた。
たしかに、サービス業とかは、記号とイメージと戯れることが仕事だ、という定義もできるのかもしれない。
戯れる、という言葉にludo,ludere(遊ぶ)要素が含まれているのが僕の気に入った。やっぱりホモ・ルーデンス論に共感するよね。日本人は本気になっちゃうとさ、悪い方向に転がっていくと思う。
文化庁メディア芸術祭
に行ってきた。去年も行ったけどやっぱり感動した。
そこではイメージが溢れていて、生きていく上でなんら必要のないものが堂々と展示されていた。でも、高揚感というか鳥肌がたつ思いで会場を見ていると、僕は生き返った気がした。前にも書いたかもしれないけど僕の人間観は二つあって、一つはホモ・デメンス(狂った人)で、もう一つはホモ・ルーデンス(遊ぶ人)。
動物的本能まで損なわれた狂った動物であるというペシミスティックな考えと、人間の本質は遊びだと捉えるオプティミスティックな考えが僕の中では混ざり合っている。動物の中にも遊ぶ種がいると聞くけれども、それは単にコミュニケーションの一部であって、それ自体が独立して彼らの生活内に存立しているわけではない。ところが根本的に欠陥のある人間種は遊びを独立して思考するようになり、それが芸術へと進化した。つまり、人間が内包する破損と遊び、そして芸術は同じ地平で語ることができよう。
芸術は人間の傷を癒す…慰める。無料なのでまだ行ってない方はぜひ行ってみてください。
ちなみに僕が好きなのは光用千春の『こどものころから』という作品。
こどものころからずっと感じていた、不安や焦燥や寂しさのようなものを1冊の本にまとめた。
僕みたいな日陰者にはうってつけ。ホントに欲しい。売ってくれないかな…。
イメージと歴史学
芸術祭に行ってリフレッシュしたわけで、そこでひらめいたのは、僕はイメージと戯れることが好きだということ。
こうなると、イメージと歴史学という結びつきが頭の中でできあがってきて、今興味があるのは…
ブルクハルト、アビ・ヴァールブルク、カルロ・ギンズブルグ、あとはもちろんアナール学派もろもろ。
彼らは基本的に美術史系の人が多いけど、やっぱりイメージを歴史学の要素に取り込むっていうのは常人ではできない芸当だと思う。いいなぁ、あこがれるなぁ。僕も歴史の中でイメージと戯れたいな!!(無理だろうけど)
彼らの著作を読んだらここで感想でも書きたい。
ユキとニナ
っていうフランス映画を観に行ったりもした。ロリコン御用達!だろうと思い大きいお友達がうようよしていると思いきや、全然違った。映画始まる前、僕の近くに座っていた人は『文化人類学の今』みたいな本を読んでてビックリした。逆にあれか、逆にソッチ系か!?と思い僕も対抗して16世紀の魔女裁判記録を読んだりしたけどオーラで負けた。
映画自体はおもしろかったけど、僕はあまり、というか全く映画を観ない人なので正直いい悪いの区別がつかない。まぁでも、普通にいい映画だと思うけどなぁ。
ユキとニナ公式ページ
<そのまんま子ども>って感じで、ニヤニヤできますぞ、紳士諸君!
ところで信じられないかもしれないけど、フランス人ってなんの努力もしないでフランス語が話せるらしいです。僕もはじめは信じてなかったんだけど……。やっぱりいるみたい、フランス人って。