スカイ・クロラ

スカイ・クロラを観ました。映画館で一度見たことがあるので、今回ので二回目です。
この映画って評価が分かれてますよね。僕は別にいい映画だとは思いますが、それほどいいとは思いませんでした。全体的にまとまりがない。話が進まないというか…つまり虚無感を全面に押し出そうとしているのに、戦闘シーンがところどころでてくるところに違和感を感じる。あるいは、その反対に戦闘シーンを期待してるのに静止画の連続で退屈する。攻殻機動隊のような動的アニメーションを期待していた人は、後者なんじゃないかな。とにかく「動」と「静」の比率がちぐはぐというか、そういう印象を受けました。もう少しまとまっていれば素晴らしい映画になっていたのかもしれません。

で、思ったことを箇条書き


・永遠の○○歳へのアンチテーゼ
死なないキルドレとアイドルとの関係。「若さ」の虚構性とそれへの崇拝。


永劫回帰
同じことを繰り返すという虚構「永劫回帰」にすべてを信じて委ねて、自分の生を肯定するのか…。
永劫回帰といえば、『存在の耐えられない軽さ』冒頭参照


・ヨーロッパの連帯/日本の平和ボケ
ヨーロッパで違和感を与えたスカイ・クロラ
戦争を人間の本質的欲求であり、必要悪であるとし、平和ボケしている日本の若者への警鐘としてのスカイ・クロラ。戦争を身近なものと考えない日本人は、例えばイスラエルパレスチナ人が殺されたところで何も思わない。が、しかし、この映画が映画祭で上映されたころ、ロシアがグルジアに侵攻していた。ヨーロッパの辺境で起こった紛争に敏感に反応したヨーロッパと、我関せずの日本との違いとはいかに。